日向(ひむか)(高千穂(たかちほ))から大和(やまと)へ進軍(しんぐん)する神武天皇(じんむてんのう)の東征伝(とうせいでん)
アマテラスの孫(まご)ニニギが日向(ひむか)(宮崎(みやざき))の高千穂(たかちほ)の峰(みね)におります。これを天孫降臨(てんそんこうりん)といいます。ニニギのひ孫(まご)が初代(しょだい)の神武天皇(じんむてんのう)となります。
その神武天皇(じんむてんのう)は、高千穂(たかちほ)から大和(やまと)をめざして東(ひがし)へ進軍(しんぐん)し、やがて、天下(てんか)を収(おさ)めます。これを神武天皇(じんむてんのう)の東征(とうせい)といいます。
特(とく)に有名(ゆうめい)なのが悲運(ひうん)の英雄(えいゆう)、ヤマトタケルの物語(ものがたり)です。姫(ひめ)を横取(よこど)りした兄(あに)を殺(ころ)して父(ちち)から嫌(きら)われたヤマトタケルは、父(ちち)の命令(めいれい)で南九州(みなみきゅうしゅう)の熊襲征伐(くまそせいばつ)や、東国(とうごく)の蝦夷平定(えみしへいてい)など全国(ぜんこく)を転戦(てんせん)します。伊吹山(いぶきやま)で悪(わる)い神(かみ)と戦(たたか)って毒気(どくけ)に充(あ)てられた病(やまい)にかかり、伊勢(いせ)でなくなりますが、その魂(たましい)は故郷(ふるさと)を想(おも)って白鳥(はくちょう)になって飛(と)んでいきます。
カマドから煙(けむり)が上(あ)がらないのを心配(しんぱい)して徴税(ちょうぜい)を中止(ちゅうし)した仁徳天皇(にんとくてんのう)
人(ひと)の物語(ものがたり)と言(い)われる下巻(げかん)は、歴史時代(れきしじだい)に仁徳天皇(にんとくてんのう)から推古天皇(すいこてんのう)までの出来事(できごと)を綴(つづ)っています。民衆(みんしゅう)のカマドに煙(けむり)が上(あ)がっていないのをみて、税金(ぜいきん)の取立(とりた)てをストップした慈悲深(じひぶか)い仁徳天皇(にんとくてんのう)の話(はなし)は有名(ゆうめい)です。
上巻(じょうかん)、中巻(ちゅうかん)、下巻(げかん)を通(つう)じて、古事記(こじき)には、実(じつ)に様々(さまざま)な神話(しんわ)が生(い)き生(い)きと描(か)かれています。そこに登場(とうじょう)する神々(かみがみ)や天皇(てんのう)の波乱万丈(はらんばんじょう)の英雄伝説(えいゆうでんせつ)が壮大(そうだい)なスケールで語(かた)られています。
一体(いったい)なぜ、古事記(こじき)は作(つく)られたのでしょうか。まず、古事記(こじき)が編(へん)じられた712年頃(ねんごろ)の日本(にほん)の状況(じょうきょう)を見(み)てみましょう。
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