世界(せかい)で初(はじ)めての超伝導磁力浮上(ちょうでんどうじりょくふじょう)で地上(ちじょう)10センチ(せんち)を走(はし)る
電磁石(でんじしゃく)のプラスとマイナスの吸引力(きゅういんりょく)、反発力(はんぱつりょく)によって浮上(ふじょう)・走行(そうこう)するリニア方式(ほうしき)には、「常電動(じょうでんどう)」と「超電動(ちょうでんどう)」の二(ふた)つの方式(ほうしき)があります。
このうち常電動(じょうでんどう)によるリニアカーは、「HSST」と呼(よ)ばれ、通常(つうじょう)の電磁石(でんじしゃく)の吸引力(きゅういんりょく)の働(はたら)きで車体(しゃたい)がレールから浮上(ふじょう)して走行します。
中国(ちゅうごく)の上海(しゃんはい)リニアや、我国(わがこく)の名古屋東部沿線(なごやとうぶえんせん)「リニモ」など現在世界中(げんざいせかいじゅう)で実用化(じつようか)されているリニアカーはすべて常電動方式(じょうでんどうほうしき)です。
ただ、常電動方式(じょうでんどうほうしき)は、地上(ちじょう)1センチ程度(ていど)しか浮上(ふじょう)しません。地震(じしん)が多(おお)く発生(はっせい)する日本(にほん)では安全(あんぜん)を維持(いじ)するため、リニア中央新幹線(ちゅうおうしんかんせん)では、当初(とうしょ)から地上(ちじょう)10センチ程度浮上(ていどふじょう)して走行(そうこう)するリニアカーの採用(さいよう)を考(かんが)えていました。
マイナス269℃(ど)で、電気抵抗(でんきていこう)がゼロの超電導状態(ちょうでんどうじょうたい)に
しかし重(おも)さが20トンもある車両(しゃりょう)を地上(ちじょう)から10センチ持ち上(あ)げるには、非常(ひじょう)に強力(きょうりょく)な磁力(じりょく)が必要(ひつよう)です、そこで超電動(ちょうでんどう)リニアの研究(けんきゅう)が進(すす)められました。
ある種類(しゅるい)の金属(きんぞく)をマイナス269℃(ど)に冷却(れいきゃく)すると電気抵抗(でんきていこう)がゼロの超伝導状態(ちょうでんどうじょうたい)になります。
そこに一度電流(いちどでんりゅう)を流(なが)せば電気抵抗(でんきていこう)がないため、電流(でんりゅう)は超伝導(ちょうでんどう)コイルの中(なか)を永久(えいきゅう)に流(なが)れ続(つづ)けて強力(きょうりょく)な磁力(じりょく)を発生(はっせい)します。これを超電動磁力(ちょうでんどうじりょく)といいます。
リニア新幹線(しんかんせん)は、車両部分(しゃりょうぶぶん)に超伝導磁石(ちょうでんどうじしゃく)を取(と)り付(つ)け、地上(ちじょう)の超電動(ちょうでんどう)コイルに電流(でんりゅう)が流(なが)れて、車両(しゃりょう)を押(お)し上(あ)げる力(ちから)(反発力(はんぱつりょく))と引(ひ)き上(あ)げる力(ちから)(吸収力(きゅうしゅうりょく))が発生(はっせい)します。車両(しゃりょう)と地上(ちじょう)のガイドウェイの磁気(じき)の相互力(そうごりょく)によって車体(しゃたい)が浮上(ふじょう)し、走行(そうこう)するしくみです。
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