アナログとデジタルの違(ちが)いとは
日本(にほん)のテレビ放送(ほうそう)は「地上(ちじょう)アナログテレビ放送(ほうそう)」が終了(しゅうりょう)し、完全(かんぜん)に「地上(ちじょう)デジタルテレビ放送(ほうそう)」となりました。従来(じゅうらい)の地上(ちじょう)アナログテレビ放送(ほうそう)では、テレビカメラが受光(じゅこう)した映像(えいぞう)と音声(おんせい)を連続的滑(れんぞくてきなめ)らかな電気信号(でんきしんごう)に変(か)えて、電波(でんぱ)にそのまま乗(の)せて送(おく)っていました。30コマ/秒(びょう)の静止画(せいしが)を連続的(れんぞくてき)に電送(でんそう)することで動画(どうが)として見(み)える仕組(しく)みで、パラパラ漫画(まんが)の高速版(こうそくばん)をイメージしてもらうとわかりやすいと思(おも)います。
これに対(たい)して地上(ちじょう)デジタルテレビ放送(ほうそう)は、映像(えいぞう)と音声(おんせい)に加(くわ)えて字幕(じまく)や文字(もじ)、図型(ずけい)データといった部品(ぶひん)をすべて「0」か「1」かの2進数(しんすう)で数値化(すうちか)し、デジタル信号(しんごう)として送(おく)ります。ただしこのままではデータ量(りょう)が大(おお)きすぎるため、圧縮(あっしゅく)してチューナに送(おく)り受信側(じゅしんがわ)で圧縮(あっしゅく)データを復元(ふくげん)するのです。地(ち)デジ化(か)でチャンネルの切(き)り替(か)えに時間(じかん)がかかるようになったのはこのためです。
地(ち)デジ化最大(かさいだい)の目的(もくてき)は限(かぎ)りある電波資源(でんぱしげん)の有効活用(ゆうこうかつよう)
地(ち)デジ化(か)が推進(すいしん)された目的(もくてき)は大(おお)きく二(ふた)つで、一(ひと)つは「電波資源(でんぱしげん)の有効活用(ゆうこうかつよう)」にあります。
目(め)に見(み)えない電波(でんぱ)に限(かぎ)りがあるというと不思議(ふしぎ)に思(おも)うかも知(し)れませんが、電波(でんぱ)は使用目的(しようもくてき)に適(てき)した周波数帯(しゅうはすうたい)が各国(かっこく)の法律(ほうりつ)に基(もと)づいて決(き)められており、好(す)き勝手(かって)には使(つか)えません。そこで、デジタル化(か)によって空(あ)き枠(わく)を増(ふ)やし、当時既(とうじすで)に過密状態(かみつじょうたい)にあった周波数(しゅうはすう)に余裕(よゆう)を持(も)たせようと考(かんが)えたのです。
もう一(ひと)つは「災害時(さいがいじ)に強(つよ)い情報提供(じょうほうていきょう)」です。デジタル波(は)が障害物(しょうがいぶつ)を回(まわ)り込(こ)むという特性(とくせい)を生(い)かして、災害対策(さいがいたいさく)のロボット操作(そうさ)などへ電波(でんぱ)を運用(うんよう)するための運用方法(うんようほうほう)の変更(へんこう)が検討(けんとう)されています。
その他(ほか)、携帯電話(けいたいでんわ)や電車(でんしゃ)へのワンセグ放送(ほうそう)、スマートフォンや電気自動車(でんきじどうしゃ)へのワイヤレス給電(きゅうでん)、スマートコミュニティを活用(かつよう)した社会(しゃかい)インフラの整備(せいび)など、この広大(こうだい)な空(あ)き枠(わく)を利用(りよう)した新(あら)たな電波(でんぱ)システムへの使用(しよう)が模索(もさく)されています。
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