デフレを克服(こくふく)するためには
市場(しじょう)に出回(でまわ)るお金(かね)が少(すく)なくなってデフレが起(お)こります。デフレを克服(こくふく)するには、市場(しじょう)にお金(かね)が十分(じゅうぶん)に出回(でまわ)るように促(うなが)すことが必要(ひつよう)です。そのため、一般的(いっぱんてき)なデフレ対策(たいさく)として政府(せいふ)は減税(げんぜい)してモノを購入(こうにゅう)しやすくし、日本銀行(にほんぎんこう)は利子率(りしりつ)を引(ひ)き下(さ)げて、貯蓄(ちょちく)のメリットがあまりないように仕向(しむ)けていきます。これに連動(れんどう)して、市中銀行(しちゅうぎんこう)も利子率(りしりつ)を下(さ)げていきます。銀行(ぎんこう)に預(あず)けていても利子(りし)があまり付(つ)かないということで、消費(しょうひ)に回(まわ)してもらうことでデフレの解消(かいしょう)をめざします。
しかし、日本人気質(にほんじんきしつ)としてデフレ不況(ふきょう)が長引(ながび)き、深刻化(しんこくか)していくと、将来(しょうらい)への不安(ふあん)から消費(しょうひ)を抑(おさ)える傾向(けいこう)が見(み)られます。いわゆる「たんす預金(よきん)」といわれる状況(じょうきょう)が生(う)まれます。政府(せいふ)もさまざまな要因(よういん)から、デフレ下(か)にあっても消(しょう)費増税(ひぞうぜい)の道(みち)を選(えら)びました。不況(ふきょう)に明(あか)るい兆(きざ)しが見(み)えない中(なか)、日本(にほん)の経済(けいざい)が今後(こんご)どのように推移(すいい)していくのかじっくりと見守(みまも)り、私(わたし)たちに何(なに)ができるのかを考(かんが)えていかなければなりません。
インフレはデフレの反対(はんたい)の現象(げんしょう)
インフレとは、モノやサービスに対(たい)する需要(じゅよう)が増加(ぞうか)し、それに対(たい)して供給(きょうきゅう)が追(お)い付(つ)かない時(とき)に起(お)こります。例(たと)えば、100万円(まんえん)で自動車(じどうしゃ)を販売(はんばい)したいメーカーと、100万円(まんえん)で購入(こうにゅう)したい人(ひと)のバランスが取(と)れていればいいのですが、販売(はんばい)される自動車以上(じどうしゃいじょう)に欲(ほ)しい人(ひと)が増(ふ)えると、両者(りょうしゃ)のバランスを取(と)るために自動車(じどうしゃ)の値段(ねだん)が上(あ)がります。例(たと)えば、200万円(まんえん)になっても欲(ほ)しい人(ひと)が多(おお)いと、値段(ねだん)はもっと上(あ)がって需要(じゅよう)と供給(きょうきゅう)のバランスをとります。
こうした動(うご)きが繰(く)り返(かえ)されると、お金(かね)の値打(ねう)ちが下(さ)がり、モノの値段(ねだん)が上(あ)がって行(い)ってしまいます。一般(いっぱん)にインフレは好況下(こうきょうした)で起(お)こり、収入(しゅうにゅう)も増(ふ)えますが、モノの値段(ねだん)の上昇(じょうしょう)のスピードが速(はや)く追(お)いつかなくなる恐(おそ)れがあります。また、老後(ろうご)を貯蓄(ちょちく)や年金(ねんきん)で暮(く)らしていこうと考(かんが)える老人(ろうじん)などは、お金(かね)の価値(かち)が下(さ)がってこれまでと同(おな)じような暮(く)らしができなくなります。
現在(げんざい)、日本(にほん)はデフレ不況(ふきょう)に苦(くる)しんでいますが、表(ひょう)にあるように過去(かこ)にはインフレに悩(なや)まされた時代(じだい)があったことも忘(わす)れてはなりません。
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